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10年固定金利の真意とは?

2017.07.27

単なるピエロでした。。。顔から火が出るぐらい、恥ずかしい話です。

6月22日のコラムで、某信金から土地購入+新築に関する融資がおりた、というお話をさせていただきました。

残念ながら、その土地は別の方が購入することになってしまったのですが、問題はその融資内容です。

その信金さんから提示された条件というのは、

  • 金利2%強
  • 期間22年
  • 10年間固定金利

というものでした。

金利については、他の金融機関さんが1%台前半にしてくれるようになってきたこともあって、もう少し何とかしてほしいところでしたが、はじめての取引ということもあって、仕方ないものとは思っていました。

ただ、金利が「10年間固定」というのがすごく気になってしまったのですね。

通常、固定期間が長くなればなるほど、金利は高くなってしまいます。

ですので、「固定期間はそんなに長くとらなくてもいいので、金利が安くなるようなご提案をいただけないでしょうか」と、融資内諾の連絡がきたときに、その場で押し返しました。

すると担当者は、「いえ、今回の案件、固定期間をなくして変動金利にしたとしても、金利は同じ水準のままなんです。ごめんなさい。。。」と平謝りしてくるだけ。

その場は、仕方がないので、そういうものですかと、話を終えました。

そこからです、私が「勘違い」してしまったのは・・・。

この条件に対し、私はてっきり、

  • 信金さんが、他行に数年後に借換えさせないための条件として、長期の固定金利を提示してきた。
  • 他行に借換えようとしても、固定金利解約のための違約金が発生するため、実質的に借換えできなくなる。

という意味だと思ってしまったのでした。

ところがです。

後日、某地銀の元支店長さんと会食した際にこの件を話してみると、

「まだまだ甘いね~、谷本さん。それはね、キャッシュのあまり出ない事業計画の案件などに使う、支店が本部稟議を通すための常套手段だよ。

金融機関って、当然、大家さんの作ってくる収支計画にはストレスをかけてチェックするじゃない。例えば、当初5年間の審査金利は4%でみて、6年後からは金利6%でストレスチェックする、みたいな感じで。

それで、支店担当者からみて、その案件が6年後からは金利6%でみると真っ赤っ赤だとしたら、もう本部稟議なんて、落ちるのが目に見えてるワケ。

そんなときに、支店側としたら、稟議を通すためにも10年間固定金利にすることで、10年間は金利上昇の影響を受けない計画だってことを本部にアピールするんだよ。」

と説教されてしまいました。

さすがに、頭を横からガツーンとやられた気がしましたね。

土地購入+新築は、確かにどうしても利回りが低くなります。

今回持ち込んでいた案件も、確かに、金利を4%とか6%などで考えると全然ペイしないものになっていました。

でも、その支店との初の物件購入資金にもなるので、担当営業マンは、ものすごく頑張ってくれていたんですよね。

私の事業計画に融資するために、本部の承認を勝ち取ってくれた条件というのが、「10年間固定金利」だったのですね。

にもかかわらず、表面的に、「借換え防止策のためにとってつけたような条件だな、足元みやがって!」ぐらいの勢いで考えていた自分が本当に恥ずかしくなりました。

猛反省です。本当にこの担当者さんには申し訳ないことをしました。。。

でも、この教訓を活かし、次回からは、収支がどうしても厳しい案件の場合、逆に先手を打ってこちらから、「10年間固定金利で審査いただくというのはどうですか?そうしたら、本部審査も通りやすいと聞いたことがあります・・・」と担当者に持ちかけてみることもできるのではと考えました。

何だか、金融機関に対する武器がまた一つ増えたような気がします。(^^

まとめ:
金融機関の審査事情を逆手にとって営業に活用しよう!

今回は金融機関の審査事情の裏側について考えてみました。

何かの参考にしていただければ幸いです。