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定期借家契約と保証会社とは連動してる?

2017.08.10

先週末、地元で勉強会を開催しました。

今回のテーマは、リスク管理。

特に今回は、不良入居者対策として、定期借家契約と滞納保証会社について勉強しました。

普通賃貸借契約が、「どんな不良入居者であろうと、なかなか退去させられない」という賃貸借契約であるのに対し、定期借家契約は、不良入居者に対しては、正当に賃貸借終了を主張できる契約です。

そのメリットが、最近だいぶ認知されてきたのか、「今、徐々に定借(ていしゃく、定期借家契約の略)に切り替えてるところなんです!」というような実践報告などもよく聞くようになりました。

ところが、この定借と、保証会社との連動を漏らしてしまっているケースが出始めています。

というのは、滞納保証会社の家賃債務保証は、賃貸借契約に基づいたものであるため、賃貸借契約が終了すると、自然にこの保証も終了してしまうためです。

定期賃貸借契約は、更新の概念がありませんので、契約期間満了時に、再度、賃借人さんと契約を締結する必要があります。この時、賃貸借契約に合わせて家賃債務保証契約も再契約しなければ、家賃保証が継続されないのです。

ということは、当初の入居期間中に家賃支払いについて、トラブルのある入居者さんは、この再契約時の審査により、「家賃債務保証を継続してもらえない」可能性も当然出てきます。

もっとも、審査に落ちるということは、「家賃支払い以外にも生活上のトラブルを起こす賃借人かもしれない」ということで、一定期間毎に審査ができる、という意味ではかなりのメリットと言えるでしょう。

しかしながら、「生活上のトラブルは不動産会社が解決してくれるだろうから、そんなことよりも、家賃滞納だけ保証してくれればいいのに・・・」と考えるのであれば、「定期借家契約+家賃債務保証」の組み合わせよりは、「普通借家契約+家賃債務保証」の組み合わせを使った方が良いことになります。

何を重視するかによるとは思いますが、いずれにしても、定借と家賃債務保証との連動には注意が必要です。

定期借家契約のメリットは、不良入居者対応を経験したことがなければなかなか享受できないかもしれません。しかしながら、いざそのような不良入居者が発生してしまったときには、本当にこれほど頼りになる契約はありません。

ぜひ安定した賃貸経営を実現するためにも、定期借家契約のメリットと具体的実務について今一度、理解していただければと思います!

まとめ:
定期借家契約の表面的知識だけでなく、家賃債務保証まで含めた実務を一度深掘りしておこう!

今回は定期借家契約と家賃債務保証との連動について考えてみました。

何かの参考にしていただければ幸いです。